業務範囲の拡大と安定へ ー福島アンテナ通信様のドローン活用

株式会社福島アンテナ通信 代表取締役/佐藤和人 さま

株式会社福島アンテナ通信は、2017年からドローンを活用した主にテレビ中継局の維持・メンテナンス、携帯基地局の鉄塔点検業務を行っています。ドローン導入により業務内容と手法は全体的に大きく変わったといいます。佐藤さまにとってドローンは具体的に何をもたらしたのでしょうか?

聞き手:ARAI ライター:ARAI

スペースワンを選んだきっかけは?

御社の会長:小林清子さんからのご紹介です。
もともとドローンには興味があって、機会があれば使ってみたいと思っていたので、タイミングとしてもちょうど良かったですね。興味だけで自己流で使ったら事故やトラブルを起こす可能性があったわけですから、正しい知識と技術を学ぶことはとても重要だと思っています。

仕事ではどのようにドローンを活用していますか?

電波の干渉原因となる樹木の伐採範囲の選定・進捗の撮影です。ドローンを飛行させるとどのあたりが干渉しているのか一発で把握できます。写真と動画を撮って資料として明確に示せるので、お客様とのやり取りも非常にスムーズ。ドローンを導入してからこういった依頼が多くなり業務範囲が広がりました。

【導入機】
・DJI Phantom4 Pro
・DJI SPARK
・DJI Mavic2 Enterprise Zoom
・DJI AIR3

現在の主力機はAIR3。持ち運びの手軽さとズーム機能も仕事で重宝している。

スクール受講を通じて得られたもの

安全管理」…これに尽きるかな。
仕事柄、電波については多少の知識はありましたが、ドローンにどのような影響を及ぼすのかや、法令関係も含め安全に飛行するために必要なことを学びました。手続き・点検をしっかりやって、飛行中に少しでも変な挙動が起きたら絶対に無理はしないようにしています。

ー無理をしない。大切なことなのに、なかなかその判断が難しいですよね。

現場が山で鉄塔・基地局・中継局のアンテナが傍にあるわけですから、山谷風による強風・GPSの受信不良・映像の遅延など本当に色々起きます。こういう時ほど「もう少しだけ飛行したい」といつも思うのだけど、潔く着陸してその日の飛行は中止する。これを徹底しているからこそ、防げている事故はこれまでもたくさんあったと思います。

国家資格も昨年取得されました

二等無人航空機操縦士の基本・夜間・目視外まで取得しました。

8の字飛行など普段やらない操縦方法に戸惑って、少し遠回りしたかな(笑) 
国から操縦者認定されることで、業務を請け負う上でも信用性の確保につながりますし、講習を通して操縦者としてもアップデートできたのは良かったです。

ー国家資格の取得で最大の壁はなんだったでしょうか?

仕事が忙しく勉強の時間を確保するのが大変でした。でも苦労しただけに達成感はあったし、成長を実感できましたね。周囲にも国家資格を取得するように勧めています。

これからの展望とスペースワンに望むこと

おかげさまでこういったドローンを活用した業務は安定してきている一方で、もっとこういった方法によって円滑に進められることを知ってもらいたいし、少しずつ興味をもってくれています。地方局・キー局以外のところ(っていうとどこだかわかっちゃうけど(笑))からも依頼を受けられるように、しっかり種まきしているところなんです。

スペースワンさんにも、私の所有しているドローンでは、次の中継地点を確認するとき望遠カメラが届かない場所もあるので、ぜひ今後もご協力をお願いしたいと思っています。

ー機会をみてぜひNEWドローン導入のご検討もお願いします(笑)

これから学ぶ方へのメッセージなど

業務活用であれば、1人で学び、ドローンを導入するのではななく、安全のためにできるだけ仲間(補助者)を作って、複数人で現場対応することをお勧めします。飛行前の点検でコンパスキャリブレーションは必ずやりましょう。とても大切です。

そして予定外のことはやらない、無理はしない!

ー厳しい環境条件で飛行している方の一言は、流石に重みが違います。

 ありがとうございました!

インタビューを終えて
実は筆者、佐藤さまの現場に何度か伺っているのですが、強風・電波干渉・磁気干渉の乱れ打ちのような環境条件で飛行していることはよく存じていました。普段の明るさ・飾らない人柄とのギャップも相まって、これまでのヒヤリハット事例を真剣に語る姿には、非常に説得力を感じました。特に電波干渉のお話は大変参考になりました。

<会社概要>
企業名:株式会社福島アンテナ通信
代表者:代表取締役    佐藤 和人
住 所:963-8041 福島県郡山市富田町字向舘90-7
事 業:テレビ中継局・携帯基地局の維持・メンテナンス・点検