空からの技術革新と人材育成 — 現場が語る昭和技術設計の挑戦

昭和技術設計株式会社 測量部 次長/石澤美智春 さま

昭和技術設計株式会社は、福島県郡山市を拠点に測量・設計・調査を行う建設コンサルタントです。「品質は信頼、品質は技術者の誇り」を理念に、ドローンなど最新技術を活用し、災害復旧やインフラ維持管理に迅速かつ高品質で対応。経験豊富な専門スタッフが、郡山から全国へ、地域社会の安全と発展を支えるパートナーとして挑戦を続けています。 今回は測量部としてドローン活用の陣頭指揮を取られている石澤さまに、空中ドローン導入のメリットや人材育成の重要性などについてお話を伺いました。

聞き手:ARAI ライター:ARAI

ドローン導入時期と活用状況について教えてください

2014年10月から導入し、DJI社製ドローンを使用しています。

Matriceシリーズ(100 / 300RTK)
Phantomシリーズ(4 / 4RTK)
Mavicシリーズ(Mavic Pro / AIR3) 
ほか、エンルート社製 QC-730も保有

主な用途としては以下になります。
1 測量業務の補助:写真測量、レーザー測量とともに3Dデータを取得
2 橋梁や斜面擁壁などの点検業務での撮影(写真・赤外線)
3 出来高・貯水量の数量計算による設計補助(3D設計)
4 災害における現況状況の取得(危険個所への立ち入り)
 令和元年 福島県中、県南地区 豪雨災害
 令和5年  喜多方 豪雨災害
 令和6年  石川県 地震災害、山形県 豪雨災害
5.土地、建物の現況調査報告、説明用のデータ取得

石川 能登半島調査の様子

ドローン導入によりどのような効果が得られましたか?

現場状況の把握に大きな違いが生まれました。
以前はスナップ写真+ポンチ図(簡易平面図や地形図)のセットが必須になっていましたが、ドローン導入により、現場での地形や現況取得の工数が大きく削減されています。

<詳細>
1-上空写真により簡易平面が不要となり、手軽に作成可能に。
2-3Dデータが取得できるので、地上高(座標高)取得できるようになった。
3-3Dデータから道路、河川等の設計がソフトによってシミュレーション可能となり、設
計検討の効率・生産性がUP。
4-写真測量における成果として3Dデータが取得でき、測量の補足して活用(最近では3D設計が求められている)縦断図・横断図・平面図(コンタ図)の作成が可能に。
5-事業計画関連範囲について、地形や土地、構造物について現況説明が容易になり、必須なものとなった。

ドローン人材の育成状況についてお聞かせいただけますか?

現在は民間資格保有者(JUIDA)が5名、国家資格の二等無人航空機操縦士が7名在籍しています。
普段、自動航行を行うことがほとんどですが、私自身も二等無人航空機操縦士を取得し、GPS等による位置安定機能が失われてしまうような、異常事態飛行の重要性は理解しています。個別計画による訓練の実施も積極的に推奨しているところです。

-チームの先頭に立つ石澤次長みずから国家資格を取得し、現場運用のシビアさを理解されていることは非常に大切なことだと思います。

スペースワンさんで講習を受けた時に、遠近感のズレ・ATTIモード(異常事態飛行の訓練・試験に使用する操作モード)には大変苦労しましたね(苦笑)
以前、瞬間的な強風に機体が流され、コントロールが困難になった場面があり、私の操縦でホームポイント付近まで戻したことがありましたが、自社の取組みだけでなく、定期的にスペースワンさんのような専門家の助言をもらいながら、モーター緊急停止の判断が迫られるような状況について事例を学ぶなど、総合的にレベルアップを図っていくことも必要だと感じています。

国家資格についてどのようにお考えですか?

測量を行うためには測量士が必須であるように、ドローンの現場では国家資格保有者の現場配置は必須であると考えています。
また、その対応が企業評価として高いことも理由になります。将来的には、一等無人航空機操縦士の取得、二等無人航空機操縦士の増員も検討しています。

スペースワンを選ん理由は?

ドローン導入時期に近いタイミングで、スペースワンさんがスクールを開校したためです。

民間資格のJUDA講習の2期生として、2016年に部下を受講させたのが始まりです。

ーあれからもう、9年のお付き合いになりますね。

ウチもドローンの人材育成や運用面については他社から参考にしていただくことも増えましたが、餅は餅屋、ということで、スペースワンさんには機体導入も含めて毎年お世話になっていますね。

国家資格の二等無人航空機操縦士についても、当初私は取得するつもりがなく、若い者にどんどん取ってもらうつもりでいたのですが・・・(笑) 今は操縦することはあまりないのですが、現場責任者として立ち会っています。

これからスペースワンに期待することは?

ドローンの世代変わり、性能発展のスピードが早い業界ですから、ウチでこれから取り入れるべき新技術については継続的な情報展開と意見交換を希望します。
また、安全運用と有資格者のレベルアップとして、ウチの現場では起こりにくい事故・トラトラブル事例なども含め、様々なエラーケースに備えた対処法を学ぶ場を提供していただきたいです。
そして先に述べましたが、二等無人航空機操縦士の増員・一等無人航空機操縦士の取得については計画的に進めていきますので、受講時期やスケジュールの調整など引き続き相談させてください。

ー承知いたしました!今後ともよろしくお願いいたします!

<会社概要>
企業名:昭和技術設計株式会社
代表者:代表取締役 渡邉和明
住 所:〒963-0207 福島県郡山市鳴神1丁目86番地
事 業:調査、測量、設計、監理、不動産登記
http://www.step-fk.jp/