桃は、桃だと思っていました。

福島の仕事に携わるようになり、夏になるとたくさんの桃を見て食べるようになりました。

入社するまでは、桃は「桃」。品種を意識して食べたことはほとんどなく、桃といえば、白くてやわらかくて、皮がつるっとむけるもの。岡山や山梨の白桃のような桃をイメージしていました。

「あかつき」「まどか」「川中島白桃」など、桃にもたくさんの品種があることを、この仕事を始めてから知りました。そして何より驚いたのが、「硬い桃」があり甘くおいしいということ。

最初に福島の硬い桃を食べたときは、「まだ食べごろではないかな?」と思いました。梨のように硬く、皮もりんごのように包丁でむく必要があったからです。ところが、食べてみるとしっかり甘い。「こんなに硬いのに、ちゃんと甘いんだ」と、なんだか不思議な感覚でした。

いつのまにか腐ってる!?

「硬い桃なら、やわらかくなるまで置いておけばいい」と思っていましたが、どうやらそうとも限らないようです。

てっきり、硬い桃も置いておけば、だんだんやわらかくなって食べ頃になるものだと思っていました。

しかし、桃は品種によって性質が異なり、「まだ硬いから」とやわらかくなるのを待っていたら、待てど暮らせど柔らかくならず……。あれれ?と思ってカットしてみると、傷んでいたという悲しい経験も。

「硬い=まだ食べ頃ではない」とは限らない。奥深い。。

同じ「あかつき」でも、今年は違う?

「あかつき」は、福島を代表する桃の品種のひとつ。県内の桃生産量の約半分を占め、肉質が緻密で糖度が高いのが特徴です。今年の福島は、桃の生育期の前半は雨が少なく、生育も順調と生産者さんから聞いていました。その後、8月に入ると雨の日が続くなど、桃は今年もさまざまな天候の中で育ちました。

そして、8月に食べた「あかつき」は、これまでの印象よりもかなり硬め。家で皮を包丁でむいていたときには、その音を聞いた友人から、「リンゴむいてるのかと思った(笑)」と言われたほど。

気温や日照、雨の量など、その年の天候によって生育は変わります。生産者の方々が一年を通して手をかけて育てていても、最後はどうしても天候に左右される部分があります。毎年どんな桃になるのか、本当に天候を祈るばかりです。

最後に

福島の桃を知るまでは、私にとって「桃は桃」でした。

今ではスーパーや八百屋で桃を見ると、まず何県産で品種もチェックするようになり、「今年はどんな味かな」「去年とは違うかな」と考えながら食べるのも、ちょっとした楽しみです。

今年の桃のシーズンもそろそろ終わり。来年はどんな桃に出会えるのか、今から楽しみにしています。