スタジオナップス様は、福島県郡山市を拠点とする老舗の写真・映像制作会社です。ドローンによる空撮を早期に取り入れ、効果的なビジュアル表現を通じてクライアントの目的達成を支援し、高い撮影技術とディレクション力を強みとしています。今回は代表の西坂さまに映像の専門家としてのドローン活用について伺いました。
聞き手:ARAI ライター:ARAI
早期にドローンの活用方法を模索
職業柄、2010年頃にはドローンの技術に着目していました。空撮といえばセスナやヘリコプターを使うのが一般的でしたので、最初は大型のヘキサコプターやオクトコプターにカメラを搭載して撮影することを考えていました。しかし、ドローンの操縦とカメラオペレーションが別になるため、仕事として活用するにはハードルが高かったのです。結局その時点では一度断念しました。その後、DJIから優れたドローンが登場しましたが、当初は解像度の面でポスターなどの納品物には使えませんでした。Phantom 4シリーズがリリースされてからは性能的に問題なく使用できるようになり、本格的に現場で使うようになりました。

保有機体:Mavic Pro/Phantom 4 Pro/Air 2/Mini 4 Pro(すべてDJI)
スペースワン(福島ドローンスクール)との出会い
スペースワンさんとは、すでに制作部門とお付き合いがありました。制作部の大久保さんに「スクールってどんな感じですか?」と電話で伺い、ドローン事業部をご紹介いただいたのがきっかけです。2017~2018年にJUIDA講習(民間ライセンス)を3名が受講し、その後、私は2023年に国家資格である二等無人航空機操縦士も取得しました。
Mini 4 Proが機体認証に対応し、二等資格保有者がカテゴリーⅡB(人口集中地区・人/物件30m未満・夜間・目視外)の申請を簡略化できるようになった点は、仕事上非常に大きなメリットだと感じています。

ドローンで出来るようになったこと
内容によっては今でもセスナやヘリコプターを使いますが、コストは段違いです。ある程度はドローンのカメラで代用できるようになったことで撮影の自由度が広がり、予算の限られた案件にも対応できるようになりました。
※ちなみに、チャーター料金だけでセスナが40~50万円、ヘリコプターは100万円程度かかるそうです。

空撮に求められるプロの判断と責任
-仕事で心掛けていること、空撮で気を付けていることはありますか?
元々専門である山岳写真や、海外での撮影など、環境条件によって持ち込める機材が限られる現場を多く経験してきました。ドローンはバッテリーによる飛行時間に制限もあり、現場では空撮以外の撮影も行うため、常に「最短でベストなカットを撮る」ことが重要になります。また、手持ちカメラでの構図調整が繊細であるのと同じように、空撮でも機体の位置が10cmずれるだけで見え方が大きく変わるため、位置決めには最も神経を使いますね。

-映り方がある程度イメージできてないと時間がかかるかと思いますが、様々な位置から撮って後で選定していく形でしょうか?
そこは経験がモノを言います。ドローンカメラの焦点距離や飛行高度から、どの位置に機体を移動させればよいかは、現場を見ればおおよそ見当がつきます。そのため、実際の飛行時間はかなり短いです。
ー(これまでの撮影資料を見ながら)高高度撮影や人口集中地区での大規模施設の撮影など、申請手続きの苦労もあるかと思います。
書類作成は相当こなしてきたので、専門の行政書士としても食べていけるんじゃないかな(笑)。ドローンは、誰も見ていない場所であれば、やろうと思えばごまかせてしまう面もあります。しかし、仕事として行う以上、決められていることをすべて守るのは当然だと思っています。
-西坂さまにとってドローンはどのような存在ですか?
100台あるカメラの一つですね。
ドローンの性能向上は歓迎すべきことですが、新しい機種であれば良いというわけではありません。手持ちの機材を理解し、その中でクライアントの要望に応えていくこと。それがプロの仕事だと思います。

将来のビジョン・取組みについて
これからも、ふくしまの魅力を伝える撮影を続けていきたいと考えています。また、「NPO法人サーチドッグふくしま」を立ち上げ、災害救助犬の育成にも取り組んでいます。スペースワンさんにも、今後機会があればぜひご支援をお願いしたいです。


インタビューを終えて
西坂さまは、映像制作を通じて福島の魅力を伝え続ける一方で、東日本大震災直後には若手クリエイターに声をかけ、展示会を開催するなど、地域と人を大切にした活動を続けてこられました。技術だけに頼らず、責任と想いを持って表現に向き合う姿勢は、多くの表現者にとって学ぶべき点が多いはずです。スタジオナップスの映像がこれから描き出す“ふくしまの魅力”に、今後も目が離せません。

<会社概要>
企業名:株式会社スタジオナップス
代表者:西坂 直樹
住 所:〒963-8044 福島県郡山市備前舘1-115
事 業:写真映像の企画・撮影・編集・ディレクション
コーディネイト(フード・インテリア)・各種講習講話(写真・食・犬ほか)
U R L :https://stnp.jp/
