こんにちは、ドローン事業部の市川です。
前回の記事でFPVドローンへの情熱をお話ししましたが、普段は空中ドローンの操縦がメインの私にとって、今回は少し異なる現場でした。今年12月前半、北関東での農業用水の貯水槽点検業務に参加し、水中ドローンのテザーケーブル管理という重要な役割を担当しました。
空を飛ぶドローンとは全く違う世界。水中という特殊な環境で、チーム一丸となって行う点検業務。慣れない水中ドローンの現場で改めて感じた、ドローン業務の奥深さと、チームワークの重要性についてお伝えします。
水中ドローンの現場
空中ドローンとの大きな違いは、テザーケーブルの存在です。水中ドローンは、このケーブルを通じて電力供給や映像伝送を行います。ワイヤレスではなく、物理的に繋がっているため、操縦の考え方が根本から変わります。
そして私が担当したのが、このテザーケーブルの管理でした。

テザーケーブル管理という仕事
テザーケーブル管理は、単純そうに見えて非常に奥が深い役割です。
まず、ケーブルがどれくらい出ているのか、長さを把握するのが難しい。操縦者から「ここから撮影開始します」と言われた地点を起点に、そこから何メートル機体が進んだのかを把握しなければなりません。異常が見つかった場合、「撮影開始地点から何メートルの場所に異常がある」という情報が必要だからです。
でも、水中では目視できません。ケーブルの出た長さと、手の感触だけが頼りです。今回の現場でも、この距離感の把握には改めて集中力が必要だと感じました。
さらに重要なのが、機体にテザーが絡まらないようにすること。機体が前進している時は問題ありませんが、戻ってくる時は慎重な操作が求められます。機体のバランスを崩さない程度に、適度な張りを保ちながらケーブルを巻き取る必要があります。
緩み過ぎると、スラスター(推進装置)にケーブルが巻き込まれて断線する危険があります。最悪の場合、回収できないような場所でそのまま機体をロストしてしまう。この緊張感は、水中ドローン特有のものだと実感しました。
操縦者とのコミュニケーション

水中ドローンの操縦は、空中で言う目視外飛行と同じような状況です。操縦者はモニター越しの映像だけが頼り。だからこそ、テザーケーブル管理担当からの声掛けが重要になります。
「機体はこの辺りにいます」「今、右を向いています」
そう伝えることで、操縦者は自分の位置を把握し、安全に機体を動かせる。タイミングや言葉選びを工夫しながら、的確に情報を伝える。このコミュニケーションの精度が、業務の質を左右すると改めて感じました。
そんな私の様子を見て、上長と先輩が実際に手本を見せてくださいました。
ケーブルの張り具合から機体の動きを読み取り、操縦者に的確な情報を伝える姿。その連携の滑らかさに、プロの仕事を見た思いでした。声のトーンも、報告の精確さも、息の合ったコミュニケーション。チームで行う業務の、理想的な形を目の当たりにして、驚きと感動を覚えました。
空中ドローンとの違い
FPVドローンも補助者を立てて飛ばします。障害物の有無や野生生物の接近を知らせるなど、安全確保のために重要な役割です。
でも水中ドローンは、それとはまた違うチームワークが必要です。操縦者、テザーケーブル管理、データ記録。最低でも3人が、それぞれ異なる専門的な役割を担い、密に連携する必要があります。特に印象的だったのは、拡張性の高さと手段の多さです。
お客様から「こういう映像が撮りたい」「こういう場所を確認したい」という要望があった時、上長や先輩は「このオプションを付ければ撮影できるかもしれません、やってみましょうか!」と即座に対応していました。
水中ドローンは、空中ドローンと違って重量制限が厳しくありません。だから、用途に応じてカメラやライトなどのアタッチメントを柔軟に追加できる。この「やってみましょう!」という前向きな姿勢と、それを実現できる技術と機材。お客様の満足度に直結する、プロの仕事だと感じました。
また、空中ドローンの撮影補助は目視で障害物を確認することが中心ですが、水中ではテザーの張り具合など、手の感触も駆使して補助にあたる点が大きな違いです。視覚だけでなく、触覚も使う。そこが水中ドローンならではの面白さでもあり、難しさでもありました。

上長や先輩から学んだこと
この現場で、技術的なこと以上に学んだことがあります。
それは、お客様への向き合い方です。
上長や先輩は、お客様の要望に対して常に解決策を提示し、「やってみましょう!」と実践に移していました。その姿勢は、お客様の満足度に直結し、リピートしてもらえるかにも関わってくる。技術だけでなく、対応力とコミュニケーション能力の重要性を実感しました。
この姿勢は、どんな現場でも大切だと思います。今後私が空中ドローンの撮影を行う際には、法規制も厳しい中で、法を毅然と遵守しながらも、お客様の要望に高い技術で応える。その両立を目指していきたいです。この点も意識して、これから成長していきたいと思います!
現場で得た気づきと、これから

今回の現場では、改めて多くの学びがありました。
FPVドローンで空を飛ぶ夢を追いかけながら、水中ドローンの業務にも携わる。それぞれに異なる魅力と難しさがあり、どちらもドローン技術の可能性を感じさせてくれます。
テザーケーブル管理という役割を通じて、チームワークの重要性を肌で感じました。FPVとはまた違う、より密な連携が求められる水中ドローンの仕事の難しさと面白さ。操縦者、ケーブル管理、データ記録。それぞれが自分の役割を全うして初めて、業務として成立する。
そして、お客様の要望に応える柔軟性と、プロとしての責任感。上長や先輩の姿から、技術だけでは不十分だということを学びました。
これから、FPVドローンでの撮影という新しい分野にも挑戦していきたいと思っています。この水中ドローンの経験は、その時にも必ず活きるはずです。
チームの一員として、自分の役割を確実にこなすこと。お客様の期待に応えること。そして、常に学び続けること。
まだまだ駆け出しですが、一歩ずつ、確実に。空も水中も、どちらもプロとして対応できるドローンパイロットを目指して、頑張ります!

