
前回の混沌のドバイ出張から10日後の11月初旬。今度はサンフランシスコへの出張がありました。ドバイ出張の目的は展示会に水上ドローン「ARIVIA」を出展して反応を見ることでしたが、今回の目的はたったひとつ。この「ARIVIA」を、シリコンバレー在住で伝説の連続起業家と言われる日本人・熊谷芳太郎さんの自宅でお披露目することでした。ふとした偶然から実現した今回のお披露目会でしたが、今後ARIVIAを世界で販売していくためのターニングポイントとなる出来事であり、個人的にも新しい視点を得る機会にもなりましたので、ここで共有したいと思います。
シリコンバレーの伝説的な起業家・熊谷芳太郎さん
「これは売れるよ」。
今年1月、世界で初めてARIVIA(旧名称:ARIEL)のコンセプトを発表した米国ラスベガスの展示会CESのブースで、一人の日本人男性に突然話かけられました。あまりに唐突でこちらが戸惑っていると、そんなことはお構いなしにすごい勢いで話はじめます。何とか応えながらも内心、(な、なんだ、この人。なんかアヤシイ…)と思っていると、一緒にいたもう一人の方が横から「彼がこう言うんだから間違いなく売れると思うよ。この人、すごい人なんだから」と言ってきます。その言葉でますます怪しくなり、対応に困っていたところに当社代表の小林が通りがかりました。「あっ!社長。実はこの方…」とここぞとばかりに話を繋ぎ、ホッとしてその場を離れました。


後々わかったのですが、この方こそシリコンバレーで伝説的な連続起業家といわれる熊谷芳太郎さんで、本当にすごい人でした。また一緒にいた佐藤さんも大手企業のCVCを担当し、現在は米国でコンサルタントとして活躍している方で自分の見る目のなさにがっかりしました。熊谷さんは米国で50年以上活躍されている起業家で、フィットネスデバイス「Fitbit」をはじめ、数々の事業を成功に導いているプロ中のプロです(そのすごさはここでは書ききれないので、ご興味がある方はググってください。ちなみにFitbitはGoogleに事業売却しています、笑)。そのプロ中のプロに「売れるよ」と言っていただけたことで、ARIVIAの未来がグッと拓けてきました。
ARIVIAは個人向けにも売れると確信
とはいえ、1月のCESの段階ではあくまでコンセプト発表しただけで、CGでイメージを作り、3Dプリンタで作ったモックを展示しただけでした。その段階で熊谷さんは「これは売れると思うよ。こっち(米国)にはプールがいっぱいあるから」と言っていました。実はこの段階では、ARIVIAはテーマパークやイベントでのショーで使うことを想定し、どちらかといえばBtoB向けの説明を中心に行っていました。(BtoCのプールオーナーもターゲットには考えておりましたがメインでは考えてはいませんでした。)

そこで、その後に出展した米国やドイツ、ドバイなどの展示会で、個人宅での使用を想定した説明をしてみたところ、「それは面白いね!家のプールにほしい」「子供が喜びそう!セキュリティにもいいね」といった想像以上のポジティブな反応が次々と返ってきました。この反応には驚くと同時に、自信にもなりました。当初からプールでの利用は想定していましたが、やはり日ごろ日本で仕事をし、日本の基準で製品や市場を見ていると「個人に売れるだろうか」と確信が持てないところがありました。しかし熊谷さんにアドバイスをもらったことで、ARIVIAはプールを持っている個人にも売れるという確信を得ることができました。



お披露目会へ
CESで出会って以降、佐藤さんには海外出展時のサポートをいただくようになり、また熊谷さんも引き続きARIVIAを気にかけていただきました。そんななか熊谷さんから「自分の家のプールでテストしてもいいよ」というお声がけがありました。普通であれば社交辞令と思うのでしょうが、当社は“挑戦”をモットーとする会社です。そう言われれば、「行きます!」と反射的に言ってしまいます。ちなみに熊谷さんのご自宅は米国サンフランシスコ近郊のサラトガ(シリコンバレー)です(笑)。(実際、熊谷さんからも「本当に来るとは思わなかった」と言われました、笑)
というわけで、シリコンバレーのご自宅でテストすることになったのですが、せっかくやるのであれば、近郊に住んでいる日本人の方々に声掛けしてお披露目会にしよう!という話になり、結果として政府関係者や大手企業の方など多くの方が集うホームパーティー形式でのお披露目会となりました。そしてこのお披露目会を通じて、さまざまなことを感じたのですが、少し文章が長くなりそうなので、この続きは近日中にお話ししたいと思います。では次回!

