
こんにちは。販売企画部のYです。前回は工作体験についてお話させていただきました。
実は前回記事のなかに、個人的に悔しい点がありました。
ずばり、AIによる画像生成です!
弊社は制作部もあるので、実用的で有意義な内容なレポはきっとそちらからあることでしょう…
私からお届けするのは、超初心者がやりがちなミスを客観視していただくための道のりでございます。
1st CHALLENGE!—ChatGPT—
前回記事に、私は手書きのイラストを1枚だけ掲載しました。
人間と魚、そしてマイクロプラスチックとペットボトルキャップの比較図です。
こういった比較図は本来、正確な比率で描いた方が説得力があり、見た目もわかりやすい。
そこで、平素より文章の作成や計算でお世話になっているChatGPTくんにお願いしてみました。

体長20cmの魚(メヒカリ)が5mmのマイクロプラスチックを食べてしまう。 このとき身長160cmの人間にとってはどのくらいのサイズになるか。
まずは計算から。算数も苦手なので丸投げします。
優秀なChatGPTくんは理解もはやい。素早く計算したうえで、的確に回答してくれます。
ステップ計算
- 魚と人の比率
魚:20cm
人:160cm
→ 人は魚の 8倍 の大きさ- 魚にとってのマイクロプラスチック
マイクロプラスチック:5mm = 0.5cm
魚の体長に対する割合:0.5 ÷ 20 = 0.025 (2.5%)- 人間に換算160cm × 0.025 = 4cm
結論
20cmの魚が5mmのマイクロプラスチックを食べるのは、
身長160cmの人が4cmのものを食べるのと同じスケールになります。
⚖️ 4cmというと、直径4cmのビー玉や大きめのマカロンくらいのサイズです。
魚にとってはかなり負担のある大きさだとイメージできますね。
ご希望なら、このサイズ感を図解(人と魚とマイクロプラスチックを並べたイラスト)で作ってみますか?
わー!ぜひぜひ!お願いします!
そして、こう。
惜しい!
しかし修正点は
- 人間のサイズに対してメヒカリが大きい
- メヒカリに対してマイクロプラスチックが大きい
- 4cm大のビー玉がない
この3点のみ!
喜んだ私は修正点を投げました。

160cmの人間を基にした縮尺で、メヒカリ(体長20cm)、メヒカリが食べてしまうマイクロプラスチック(5mm)、マイクロプラスチックを人間用サイズにしたときの4cmのビーダマの4つをイラスト化してください。 人間を基準に縮尺をあわせてください。
お願いします!
ううん……メヒカリの頭上に4cmのビー玉が出現しました。
人間の足元にあるのも4cmらしいですが、人間の縮尺も4cm。
もしかしなくても私の指示が悪いですね……

2nd CHALLENGE!—ImageFX—
ここでわたくし、ImageFXという無料のイラスト生成AIを思い出しました。
以前、別件で生成した際にはかなりの完成度だったので、今回も期待できそうです!
難点はプロンプトが英語オンリーという点……。
さっそくChatGPTくんにImafeFX用のプロンプトを作ってもらいます。
✅ 英語版プロンプト
Create a simple, silhouette-style illustration (not realistic, but minimal and clear).
The purpose is to visually compare sizes:
A human figure, 160 cm tall.
A fish (Mehikari), 20 cm long.
A 5 mm microplastic particle that the fish is about to eat.
A 4 cm glass marble in front of the human, representing the equivalent size for humans.
Arrange the objects to show that when a 20 cm fish eats a 5 mm piece of microplastic, it is equivalent to a 160 cm human eating a 4 cm marble.
For clarity:
Draw the human and marble side by side at correct scale.
Next to them, separately, draw the fish with the 5 mm microplastic enlarged so it is clearly visible.
Use labels or arrows to indicate the sizes (160 cm, 20 cm, 5 mm, 4 cm).
The style should be flat, minimal, silhouette-like, and educational.✅ 日本語版プロンプト(参考)
リアルではなく、シンプルで最小限のシルエット風イラストを作成してください。
目的はサイズ比較をわかりやすく示すことです。
身長160cmの人間のシルエット
体長20cmの魚(メヒカリ)
魚が食べようとしている5mmのマイクロプラスチック
人間の前に置かれた直径4cmのビー玉(人間にとっての換算サイズ)
配置方法:
人間と4cmビー玉は、正しい縮尺で並べて描いてください。
その横に、魚と5mmのマイクロプラスチックを拡大表示して並べ、サイズ感がわかるようにしてください。
各オブジェクトには矢印やラベルで「160cm」「20cm」「5mm」「4cm」と明記してください。
スタイルはフラットで、教育用のシンプルなシルエット調にしてください。
私の壊滅的な日本語を拾い上げてくれました。感謝!
さて、ImafeFXを起動!Let’s生成!

え……?
人間は150cmだし、ビー玉らしきものが増殖してるし、マイクロプラスチックが4cmになってるし、魚は2匹になってるし、1l60cmとは一体……?
3rd CHALLENGE!—ChatGPT—
生成AIにも向き不向きがあるようです。
こういった図解はChatGPTが得意なのかもしれません。
さきほどImageFX用に作ってもらったプロンプトがあるので、それで作成してもらいます。
惜しい!!!!
相変わらず魚が大きい。そして4cmのビー玉も、魚と比べても4cmの比率ではないです。

修正点
・魚の体長を人間の8分の1にしてください
・ビー玉を人間の40分の1にしてください
お願いします!!
…………。
ここで心が折れ、手書きするため筆をとりました。

REVENGE!—ChatGPT—
心が折れ手書きに走りましたが、投稿後に記事を振り返り、手書きの違和感に頭を抱えました。
今後もこういった図解が必要な場面はあるでしょう。
そのとき私はまたヘロヘロの線を引くのか。
こんなイラストで図解したといって良いものか。
いいえ、今後のためにもなんとかしなければなりません!
前回は言葉のみで指示していましたが、投稿用に描いた手書きイラストがあります。
参照用に添付して指示してみます。
画像の生成については採用できる精度のものが仕上がらなかったため、今回は不採用としました。
添付画像のようなイラストを作成してほしかったんですが、この場合、どういったルールのもとにプロンプトを作成すればラストを生成できますか? 添付画像中に不明な物体あるいはイラストがあれば疑問を解消してから解答してください。
ChatGPTの回答は…
なぜAI生成では「しっちゃかめっちゃか」になったか
1,縮尺をきちんと指定していない
AIは「20cmの魚」「160cmの人」と書いても、その比率を自動で正確に合わせてくれるとは限りません。
→ 「人間を基準にして縮尺を合わせる」ルールを明記する必要があります。
2,比較の対象を並べて描く指示が不足している
「人間」「魚」「マイクロプラスチック」「ビー玉」を1枚に並べる、と書いても、AIはランダムに配置してしまうことがあります。
→ 「左から順に配置」「上下に並べる」などのレイアウト指定が有効です。
3,イラストスタイルの具体性不足
「シンプル」や「教育用」と書いただけでは、写実風やカラフルな絵になることもあります。
→ 「手描き風」「一色で線画」「子どもの落書きのように」などの質感指定が必要です。
な、なるほど。
1についてはお願いしていたつもりですが、ChatGPT的には指示がない判定だったようです。
後学のために、
- 画像生成のためのプロンプトのルールについて
- 今回の画像生成のためのプロンプト作成
を並行して依頼してみます!
ChatGPTに画像生成を依頼する際のプロンプト作成ルール
1,スタイルを具体的に指定
2,縮尺ルールを必ず明記
3,レイアウトを順序立てて指定
4,ラベルと矢印を指示
5,余計な装飾を避ける
例示もしてくれていましたが長文になるので項目だけ掲載します。
並べてみると当たり前のことですが、指示としては分かりにくく、抜けてしまっていた部分です。
英語で指示した方が正確性が高いとのことなので、日本語訳してもらって内容をチェックしつつ、英語のプロンプトを投げます!
ああーッ!さかな!あと、ほんとうに魚だけです!
もしや、体長20cmではなく、高さを20cm(1/8)にしていないでしょうか?(それにしても大きい…?)

確認しました。
生成された画像では 160cmの人間と20cmの魚 が描かれていますが、実際の見た目の縮尺としては「人間の身長の1/8 ≒ 20cm」にはなっていません。
👤 人間の高さ(160cmとラベルあり)は図の縦方向で大きく描かれている一方、
🐟 魚は人の体長の約半分近い大きさに見えます。
つまり、ラベルは正しい(160cm / 20cm)ですが、描画上の縮尺は正確に1/8にはなっていません。
この点は、AI画像生成の弱点で「相対スケールの忠実さ」が保証されないために起きるズレです。
やっぱり!!
このあと、どうしたら縮尺を人間に合わせてもらえるのか質問を繰り返し、生成してもらいますが、どうしても縦の長さを1/8にして横の長さに適応するのが難しいという告白が…。
そうなんです。AI画像生成では「縦方向(人の身長)」と「横方向(魚の体長)」を正確に縮尺比較するのが苦手なので、どうしても比率が崩れてしまいます。
人間ならば縦の定規を横にして線を引くだけの作業ですが、言われてみれば複雑な処理かもしれません。
いよいよ魚が人間を食べようとしはじめました。もしかして怒ってます……?
さっそく修正点を伝えます。

・魚は「縦20cm」ではなく「全長20cm(横)」が正確です。修正してください。
・魚から人間に向かって伸びている矢印は不要ですので削除してください
・人間が食べようとしているペットボトルキャップは4cmです。修正してください。
・魚の全長が20cmなのでラベルを表記してください。
これらの修正を反映させたあと、条件に合致しているか二度確認してください。
縮尺が、サイズが、と繰り返す私に、ChatGPTがimage_genからPython描画に変更してはどうかと提案してくれました。
<生成方法のちがい>
image_gen…見栄えやイメージ
Python描画…正確な縮尺・数値ベースの図解
Python描画はダウンロードする形式なので、ワックワクでダウンロード!
さあ、ChatGPTが生んでくれた元気な図解です!
仕事中でしたが、あまりの出来に爆笑しました。
縮尺をたてれば画力がたたず。

ここまで本当に根気よく試してくださって、ありがとうございます…。
「縮尺を正確に守りながらイラスト化する」って、AIにとっては一番苦手な領域で、どうしても何度も大きさが崩れてしまうんです。何度お願いしてもうまくいかないのは、あなたの指示が悪いのではなく、ツールの限界によるものなんです。
ChatGPTからも白旗があがったので、今回のイラスト生成は一旦ここで終幕です。
まとめ
今回のイラスト生成からわかる、自戒的な次回への学びです。
●指示は「数値+相対関係+禁止事項」を必ず含める ●AIはスタイル変換や雰囲気作りは得意だが、縮尺保持は不得意 ●正確な縮尺が必要な場合は、Python等でベース図を作り、人間が清書する ●どうしても崩れる場合は「縮尺図」と「イメージ図」を分けて使う ●いっそイラストの構成を見直す
AI初心者の同士も、ぜひ私の失敗を糧にしていただければ幸いです。