ブランドがブランドであり続けるための次なる一手

みなさんは、Tiffanyと聞いて何を思い浮かべますか。

ジュエリー、ティファニーブルー、映画『ティファニーで朝食を』、オードリー・ヘップバーン。

人によって思い浮かべるものはさまざまだと思います。

近年は、Tiffanyだけでなく、CHANEL、BVLGARI、DIOR 、ARMANIなど、世界的なブランドがレストランやカフェを展開しています。

そこにあるのは、商品を販売するだけでは伝えきれない、ブランドの世界観そのものを体験してもらうための空間です。

見上げると頭上に無数のブルーボックスが雨のよう。幻想的な空間です。

Tiffanyカフェで感じた、ブランド体験のつくり方

販売企画部の野﨑です。 はい。わたくし、Tiffanyファン歴40年です。
年齢の計算はそっとしておいていただきたいのですが、PCやスマホの壁紙までTiffanyということで、好きの深さだけは伝わるかと思います。そんな私にとって、今回訪れた「Blue Box Café」は、行きたい場所の一つでした。
実はこの日は、ふくしま市場のお取引先様の都内視察に同行した帰りで、チャンス到来。せっかくなら、商品や空間の“見せ方”を学べる場所にも立ち寄ってみようということで、Blue Box Caféへ。
もちろん、私自身がTiffany好きということも大きな理由ではありますが、単なるカフェ訪問ではなく、ブランドの世界観や体験価値を学ぶ時間にもなりました。
店内に入った瞬間、そこはまさにティファニーブルーの世界。
天井いっぱいに浮かぶように飾られたブルーのボックス、淡い色合いの椅子やソファ、食器、コースター、メニューカバーに至るまで、すべてが丁寧に統一されていました。

どこを切り取っても写真に残したくなる空間で、「カフェに来た」というより、Tiffanyの世界観の中に入り込んだような感覚があります。
運ばれてきたカフェラテには、ロゴのラテアート。
カップやソーサーのデザインまで含めて、ひとつの体験として完成されていました。味を楽しむだけでなく、目で見て楽しみ、写真に残したくなり、誰かに話したくなる。そのすべてが、ブランド体験として設計されています。正直に言うと、コーヒーとケーキで5,000円という価格は、私にとって、なかなか特別です。
翌日、お取引先のイタリア料理のシェフにこの話をしたところ、「ティファニープライスですね。でも、今の都内のホテルではコーヒー1杯2,000円ということもあるので、ラグジュアリー系カフェとしては、むしろ安く感じますよ」というお言葉をいただきました。

確かにここでいただいているのは、単なるコーヒーやケーキだけではありません。その空間に身を置く時間、写真を撮りたくなる高揚感、誰かと一緒に「素敵だね」と共有する気持ち。そうした空気感まで含めて味わう場所なのだと思いました。

カフェは予約制で、ほとんどの来店者がオーダーしている「Afternoon tea」は、華やかで美しく、写真映えは抜群。内容はスイーツ中心で、「お腹いっぱい食べる」というより、美しい器や空間、会話を楽しむための時間という印象でした。もうひとつの「Breakfast」は、パンや卵料理などもあり、食事としての満足感はこちらの方が高そうに感じました。リアルに「Tiffanyで朝食を」体験が出来ますね。
同じ空間でも、何を選ぶかによって体験の受け取り方は変わります。

世界観を守るためのルール

次回はぜひダイニングエリアも利用してみたいと思い、予約サイトを確認したところ、いくつか印象的なルールがありました。
原則として予約は2名以上。ダイニングエリアは9歳以上から利用可能。ドレスコードはスマートカジュアル。

最初は「カフェなのに、ここまで決まっているのか」と少し驚きとためらいがありましたが、実際に訪れてみると、それは単なる制限ではなく、世界観を守るためのルールなのだと感じました。
一人で訪れると、どうしても冷静に価格やサービスを見てしまいがちです。
一方で、誰かと一緒に訪れると、「美味しそう」「素敵」「写真を撮ろう」と、その場の感動を共有できます。誰かと一緒に体験することで、一瞬で世界観に入り込める。そうした時間まで含めて設計されているのかもしれません。
私はこれまでにもTiffanyのカフェをいくつか訪れたことがあります。
2022年1月には、原宿のPOP UPストアに行きました。この時は息子から、「母さんがよろこびそうなカフェに連れて行ってあげるよ!」と言われたことを思い出しました。
その時の印象は、とにかく「かわいい」。キャットストリートにあるお店は猫モチーフのカップやスイーツがあり、写真を撮りたくなる楽しさがありました。POP UPストアならではの限定感と、気軽にTiffanyの世界を楽しめる場所でした。
その2年後、ドバイモールのTiffanyカフェにも一人で行ったこともあります。店内は美しく、食器やインテリアにもTiffanyらしさがあり、リッチな雰囲気は十分に感じられました。ただ、今振り返ると、その時は「Tiffanyに囲まれている」という印象に近く、今回のように世界観へ入り込む“没入体験”とは少し違っていたように思います。
同じTiffanyでも、場所によって受け取る印象はまったく違います。そこで、これまで訪れた3つのTiffanyカフェを並べてみると、それぞれの違いがよりはっきり見えてきます。

(左)表参道店 (中央)ドバイモール店 (右)銀座店

表参道店のPOP UPは、ただただかわいい。
ドバイモールは、リッチな雰囲気を楽しむ空間。
そして今回のBlue Box Caféは、予約、ルール、空間、食器、価格、メニュー、スタッフの温かいおもてなしまで含めて、ブランドの世界観に入り込む体験。この違いに、ブランドの見せ方の奥深さを感じました。高級であることと、価値を感じることは同じではありません。
価格が高いだけでは、人の心には残りません。
けれど、そこにあるストーリー、空間、写真を撮りたくなる演出、誰かと共有したくなる時間は、その価格が単なる飲食代ではなく、体験の価値として受け止められるのだと思いました。

今回、一番うれしかった発見。見つけた、ふくしまのモノ

メニューを広げた時、右下のミネラルウォーターの場所に

「奥会津金山 天然水」「奥会津金山 天然炭酸水」の文字を見つけました。

福島県金山町の商品です。ふくしま市場で販売している商品でもあります。

Tiffanyのような洗練された空間のメニューの中に、福島県の商品が自然に並んでいる。

それを見つけた瞬間、とても、うれしくなりました。

奥会津金山 天然炭酸の水ギフトセット3本入り 

商品は単なる“モノ”ではなく、記憶に残る“体験”に。

今回のカフェ体験は、Tiffanyファンとしての楽しさはもちろんありました。
ですが、それ以上に、ブランド価値や体験設計、商品の見せ方について考える機会にもなりました。
福島県産品も、もっと素敵に見せられる。
もっと誇らしく届けられる。
そして、上質な空間の中でも選ばれる力がある。
ティファニーブルーの空間で見つけた小さな発見から、改めてそんな可能性を感じました。
2025年8月8日、ティファニー銀座の4階に日本初となる「Blue Box Café by Natsuko Shoji」がオープンしました。アジアのベストレストラン賞に輝いた「été」の庄司夏子シェフが監修を務めています。
ちなみに、オープン日の8月8日は、当社の設立日でもあります。こういう偶然に、少し運命を感じてしまいました(笑)。