ちょっと、ちょっと、また値上げ?からはじまった コカ・コーラ調査
販売企画部の野﨑です。
最近、食品や日用品、光熱費など、あらゆるものの値上げが続いています。 私たちの仕事でも、原材料費、物流費、人件費、資材費など、さまざまなコストの上昇を実感する場面が増えました。「また値上げか」と感じる気持ちは、消費者として私自身にもあります。
ニュースで見た『コカ・コーラ指数』
世界中で販売され、品質も比較的共通しているコカ・コーラの価格を比べることで、各国の物価や購買力を考える一つの目安にする、というものです。ビッグマック指数ほど有名ではありませんが、実はこの『コカ・コーラ指数』、身近な物価や経済の波をリアルに映し出す隠れた名指標。私たちの生活の変化を実感するには、これ以上なく分かりやすい例です。
日本では、500mlペットボトルのコカ・コーラの税別希望小売価格は2022年9月までは140円でした。以降、希望小売価格は段階的に上がり、2026年秋には220円になる予定です。わずか4年ほどで80円の上昇。率にすると約57%です。コーラ1本の価格だけを見ても、物価上昇が一時的なものではなく、私たちの日常に着実に入り込んでいることを実感します。
ただ、みなさんは実際にコカ・コーラをいくらで買っていますか。これも私には「へぇぇ」だったのですが、価格競争の起きにくい空港やイベント会場内の自動販売機などでは、メーカー希望小売価格で販売されているそうです。また、ドラッグストアやスーパーよりも価格設定が高めのコンビニでは、基本的にどの店舗でもほぼ同じ価格で販売されているそうですよ。

私にとっての「コカ・コーラ」

私の幼少時代、コカ・コーラといえば190mlのガラス瓶でした。栓を抜くと「プシューッ」と音がして、ゴクゴク飲めば「プファーッ」と口から出て、「さわやか!」と感じていたことを思い出します。子どもにとっては、ちょっとした贅沢な飲み物でもありました。その後、ファミリーサイズとして1Lのガラス瓶が登場。その瓶を酒屋さんに持っていくと、30円が返金されたんです。我が家では、酒屋さんにビールとコーラをケースで頼んでいたのですが、空き瓶を持っていくと30円が戻ってくることが、ちょっとしたお小遣いのようで記憶に残っていました。調べてみると、その記憶を裏付ける記事が見つかり、ひと安心。現在も販売されている190ml瓶には、10円のデポジットが設定されているそうです。喫茶店で飲むガラス瓶のコーラは、格別においしく感じます。中身はペットボトルと変わらないそうですが、なぜか炭酸の強さまで違うように感じてしまいます。今でも、私の中ではコカ・コーラといえば1Lもしくは1.5Lが基本。それも常温で、ほぼ一日かけて飲んでいます。一本を飲み切る満足感。まあ、これは私の嗜好なので、いったん置いておきます。

一人用350ml、二人用700mlの登場!
コンビニや自動販売機で買った飲料は、その場ですぐ飲むことが多い。 一方、スーパーやドラッグストアで買ったコカ・コーラは、家に持ち帰って飲みます。家では、食事と一緒にコップ1杯だけ飲んだり、少しずつ飲んだりする。そう考えると、500mlを一人で一度に飲み切るとは限りません。炭酸飲料は、一度開けると少しずつ炭酸が抜けていきます。
大容量ならお得でも、最後までおいしく飲めなければ、必ずしも「ちょうどいい」とは言えません。
コカ・コーラは2020年、首都圏で350mlと700mlのペットボトルを先行発売し、2021年から全国展開しました。公式には、350mlは一人でおいしく飲み切れるサイズ、700mlは二人でシェアするのに適したサイズとして提案されています。単なる容量追加ではなく、「どこで、誰と、どのくらい飲むか」を考えた商品設計です。
背景には、家族構成と暮らし方の変化
以前は、大きなペットボトルを家族みんなで分けて飲む家庭も多かったと思います。それもそのはず、昭和の日本の平均世帯人数は約3.4人だったのに対し、現在は約2.2人。4人家族で1L瓶を囲む時代から、1〜2人世帯が主役の時代へと、社会のカタチそのものが変わっているのです。 そして、少子高齢化や単身世帯、二人世帯の増加により、家族みんなで大容量を飲むという場面は少しずつ減っています。 たとえば、「1.5Lでは多すぎるけれど、500mlでは二人で分けるには物足りない」。そんな現代のわがままなニーズに対して、新しく登場した「700ml」という容量が、絶妙に「ちょうどいい」選択肢になるのです。 商品サイズは、単なる数字ではなく、家族の人数や生活スタイルの変化を映しているのだと思います。
「大きい方がお得」だけでは売れない時代
サイズが増えたのではなく、飲み方を細かく見ている
以前は、容量が大きいほどお得、という考え方が強かったように思います。
しかし今は、飲み切れるか、持ち運びやすいか、保管しやすいか、食品ロスや無駄が出ないか、そのときの生活に合っているかも、商品を選ぶ大切な基準です。多少割高でも、自分にちょうどいい量を選ぶ。これは飲料に限らず、食品や日用品にも共通している変化です。そして、売り場だけを見ると、「こんなに種類が必要なの?」と思います。
外出先で一人ですぐ飲む。家で一人で飲む。二人で食事と一緒に飲む。家族や複数人で分ける。こうした異なる場面を想定し、商品が増えたというより、コカ・コーラ社が消費者の暮らし方を以前より細かく捉えた結果ではないでしょうか。
値上げだけでなく、容量にも企業の考えが表れる
物価高の今、商品を見ると、つい価格ばかりに目が向きます。もちろん、値上げは家計にとって大きな問題です。
一方で、企業は価格を変えるだけでなく、容量や容器、販売場所を変えながら、消費者が選びやすい形を考えています。「高くなった」「小さくなった」で終わらず、なぜこの容量なのか、誰に向けた商品なのか、どのような生活の変化を捉えているのか、そこまで見てみると、売り場は意外と面白いものです。

まとめ
ニュースでは、6月から相次ぐ食品や日用品の値上げが取り上げられていました。その中で、大好きなコカ・コーラも9月から値上げされると知り、価格設定や商品サイズについて調べてみることにしました。深掘りしていくと、見えてきたのは価格の変化だけではありません。家族の形や飲み方、買い物の仕方まで変わっていることに気づきました。長く愛されている商品でも、同じ形のまま売り続けているわけではありません。中身の変わらないコカ・コーラが、時代に合わせてサイズを変えていく。身近な商品の中にも、市場や暮らしの変化が表れているのだと思います。このように、これほど多様なサイズや形で市場展開しているコカ・コーラ社の徹底した顧客目線と対応力には、改めて驚かされます。変化する暮らしを細かく捉え、選択肢を増やしていく姿勢は、私たちの日常の仕事や商品提案にも生かせるのではないかと思いました。

