NEDO Challenge for BLUE ECONOMYで見えた「運用力」の大切さ

こんにちは。スペースワン ドローン事業部の Ooteyama です。

今回は、一般社団法人日本水中ドローン協会として協力した「NEDO Challenge for BLUE ECONOMY 1次コンペティション」について、現場で感じたことを書いてみたいと思います。

1.NEDO Challenge for BLUE ECONOMYについて

NEDO Challenge for BLUE ECONOMY は、今後のブルーエコノミーを支える技術やアイディアの実装を後押しする懸賞金型事業です。
水中ロボットの外乱制御、水中での自己位置把握、藻類の計測・解析、船底マッピングなど、水域ロボティクスの可能性を広げるテーマが設定されており、まさにこれからの海洋産業や水中技術の発展につながる挑戦の場だと感じています。

そうした国を巻き込んだ取り組みに、日本水中ドローン協会として運営サイドで関わらせていただけていること自体、とても意義のあることだと思っています。
この取り組みについての話や相談をいただいたのは、もう2年ほど前のことでした。そこから事業が公開され、1次コンペティションが開催されるまで、長かったようでいて、振り返るとあっという間だったようにも感じます。
1次コンペティションでは、日本水中ドローン協会として、事務局側の運営支援、審判補助、そして競技の模様の水中ドローン撮影対応も行いました。なお、水中ドローンによる撮影対応は3日目から行っており、その様子はYouTubeのアーカイブ映像でもご覧いただけます。

コンペティションでは、各団体がそれぞれの課題に向き合い、開発成果を競技という形でぶつけていたのが印象的でした。

2.現場で見えた「技術」と「運用」の距離

一方で、現場で見えてきたのは、技術開発と実環境での運用の間には、まだ埋めていくべき要素が多いということです。これは誰かができていないという話ではなく、水中という環境そのものが難しいからこそ起きる当然の壁だと思っています。

視界が限られ、状況把握が難しく、陸上のようにすぐ確認や修正ができない。だからこそ、機能や性能だけではなく、運用する側の判断や経験が大きく問われます。

私は、主に DeepTrekker PHOTON を使いました。競技を撮る役割ではありましたが、限られた視覚情報の中で対象を追従し、画を押さえ続けるには、現場で培った運用感覚が必要だと改めて感じました。

性能が高い機材でも、最後はその場でどう扱うか、何かあった時のリカバリーが重要になる。私たちが普段から大切にしている安全運用や人材育成の考え方とも重なります。

3.水中ドローン活用事例として感じたこと

今回のような映像撮影対応も、水中ドローン活用の一つのケーススタディーだと感じています。

点検や調査だけでなく、「記録する」「伝える」という役割もまた、水中ドローンの価値の一つです。

水中ドローン事業のヒントを探している方にとっても、今回の取り組みは参考になる事例ではないかと思います。

今回の現場を見て、話を聞いて、個人的に強く感じたのは、私たちがこれまで進めてきた「まずは導入し、使い、経験を積む」という考え方は間違っていなかったのだろう、ということです。機能向上や性能向上を待つことも大切ですが、それだけでは現場で使えるようにはなりません。まず取り組む。まず動かす。その中で経験を重ね、さまざまな機能を本当の意味で使いこなせるようになる。この順番が、水中ドローン活用を広げていくうえでとても大切だと思っています。

また、私たち水中ドローンに関わる立場としては、こうした技術開発の場に触れられること自体も非常に刺激的です。どのような試行錯誤があり、どのような機能開発が行われ、どこに現場実装の可能性があるのか。水中ドローン屋としても、今後の展開を純粋に楽しみにしています。

4.今後の展開にも要注目!

1次コンペティションは終了しましたが、NEDO Challenge for BLUE ECONOMYは今後も続いていきます。今後の展開は公式サイトで公開されていますし、2次コンペティションは新規エントリー可能だそうです。

NEDO Challenge for BLUE ECONOMY公式サイトから最新情報を!
https://blue-economy-challenge.nedo.go.jp/

また、1次コンペティション当日の模様は、YouTubeアーカイブ映像として公開されています。水中ドローンによる撮影対応は3日目から行っていますので、現場の空気感とあわせてご覧いただければと思います。

水中撮影の様子(PHOTON使用)
水中撮影の様子(PHOTON使用)

1日目 アーカイブ映像 https://www.youtube.com/live/Zhr57wqyYzI?si=FqCWV4mHAPKixVIy
2日目 アーカイブ映像 https://www.youtube.com/live/ytLroeP_qg0?si=XmQcQY-02Ab1PBLC
3日目 アーカイブ映像 https://www.youtube.com/live/sO68JQqg2i8?si=Wh_7RclgaTmuJHTj
4日目 アーカイブ映像 https://www.youtube.com/live/AFhDfHDj0Q8?si=-FwhlKmcAICnGE8_
5日目 アーカイブ映像 https://www.youtube.com/live/-a6nD7gpeT0?si=V83LnTXM_RWHaGzl

まとめ

今回の関わりで強く感じたのは、技術開発と現場運用は切り離して考えられないということ。機能が優れていること、性能が高いことはもちろん大切です。ですが、それを実環境の中で活かすには、機材だけではなく、運用する人の判断や経験、そして状況に応じて対応する力が必要だと思います。特に水中は、視覚情報が限られ、簡単に状況を把握できる環境ではありません。
だからこそ、性能向上を待つだけではなく、まずは導入し、取り組み、経験を積んでいくことが大事。今回の取り組みは、そうした考え方の大切さを改めて実感する機会になりました。

また、こうした映像撮影対応も水中ドローン活用の有益な活用事例の一つです。点検や調査だけではない活用の切り口として、水中ドローン事業のヒントを探している方にも参考になると思います。

NEDO Challenge for BLUE ECONOMY は、まだ今後の展開があります。私たち水中ドローンに関わる立場としても、これからどんな試行錯誤や機能開発が生まれてくるのかを楽しみにしながら、現場で活きる水中ドローンの価値を広げていけるよう取り組んでいきたいと思います。

ちなみに今回の会場となった平沢マリンセンターは、私自身プライベートでもダイビングするスポットです。そんな場所で、この事業に関われたことも、個人的には少し印象深い出来事でした。