【後編】ロンドン出展レポート|海洋分野のリアルとこれからの可能性

みなさんこんにちギョ。ドローン事業部の植木です。
前編では、Oceanology International 2026の現場の雰囲気や、ARIVIAが“異端”だった話を書きました。後編では、実際に展示会を通して見えてきた、海洋分野のリアルと可能性についてまとめていきたいと思います。

海は「データを取る産業」

今回の展示会で強く感じたのは、 海は「データを取る産業」だということです。
会場に並ぶ技術の多くは、海底の状況を把握する、インフラを点検する、環境データを取得する
といった、「調査・点検・作業」のためのもの。そしてその中心にあるのが、下記の機体たちです。

ROV(遠隔操作型ロボット)
AUV(自律型ロボット)
USV(水上無人機)

裏側の技術がとにかくすごい

印象的だったのは、 ロボット本体もそうですが、それを“支える技術”の進化でした。ソナーによる可視化、高精度な位置測位 、データ取得、遠隔操作、自律制御。「どれだけ正確に、効率よくデータを取れるか」が、すべての技術が集約されている印象です。一方で感じたのは、技術は進んでいるが、用途はまだ限定的ということ。海洋分野は・調査・点検 ・軍事・インフラ といった用途に集中しており、新しい価値の広がりは、まだこれからという印象を受けました。

Water Linked社(ノルウェー)…水中での位置測位に特化した企業。水中ではGPSが使えないため、音響技術を用いて、ROVやダイバーの位置をリアルタイムで把握する仕組みを提供しています。海洋分野においては、「どこにいるか」が分からなければ調査や作業自体が成立しないため、このような位置測位技術は非常に重要な基盤となります。

Blueprint Subsea(イギリス)…主にソナー技術を中心に展開しており、水中の地形や対象物を可視化するための高精度な機器を開発しています。カメラでは見えない水中環境において、音波を使って“見える化”するソナーは、調査や点検において欠かせない存在です。実際の展示でも、コンパクトながら高性能な機器が並び、現場での使いやすさと技術力の高さを感じました。

だからこそ、ARIVIAの可能性

前編でも書きましたが、ARIVIAはこの展示会の中でかなり異色の存在でした。

ただ、今回感じたのは、 「異色=可能性」でもあるということ!

例えば、港湾空間の価値向上、観光・ウォーターフロント活用、エンターテイメントショー など、 “水辺を体験する場所に変える”視点は、まだこの分野にはほとんどありません。さらに、 データ取得 × エンターテインメントという組み合わせも、これからの新しい領域になる可能性を感じました。

日本からの出展企業について

今回、日本からは4社(弊社含む)が出展しており、同じ日本企業としてとても刺激を受けました。
それぞれの企業が、海洋分野における異なるアプローチで技術を展開しており、非常に興味深い内容でした。

株式会社チック

・水中機器や海洋観測・点検分野に向けた技術開発を行う海洋関連機器メーカー
・開発中の小型ROVを展示

コスモス商事株式会社

・海洋調査やインフラ点検向けのROVや関連機器を取り扱う海洋機器専門の商社
・海洋調査用センサー機器(CTD系の装置)の展示

株式会社鶴見精機

・海洋観測や水中計測に用いられる機器を開発・製造する専門メーカー
・XCTD(Expendable CTD)海洋観測プローブの展示

株式会社スペースワン

・水中調査や点検に活用される水中ドローンを販売。水上ドローンの開発
・新ジャンル、水上エンターテイメント「ARIVIA」の展示

最後に…

2日目には、Deep Trekker社のPrivate Dinnerにも参加し、さまざまな国の方々と交流する機会もありました。多くのチャンスがある一方で、語学力の壁を実感する場面も多く、今後は本気で向き合っていきたい課題のひとつです。また、展示会全体としては、日本とは異なり来場者を待つスタイルが多い印象でした。そんな中で、エンターテインメントを切り口にした展示は当社のみということもあり、多くの方に驚かれ、印象に残る提案ができたと感じています。
取材も3件ほどあり、対外的な発信の機会としても非常に有意義な場となりました。
そして今回、国際的なステージでピッチに登壇するという貴重な機会をいただき、大きな挑戦を経験できたこと自体が、何よりの収穫です。
この経験を、次の挑戦につなげていきたいと思います!ギョ!