こんにちは。ドローン事業部マネージャーのOHTANIです。
1分05秒、1分30秒、1分15秒、1分40秒…。
突然ですが、これは何の時間か分かるでしょうか? これは、私がこれまでに書いたブログを読んでいただいた平均時間です。「えっ、それだけ?」と思われるかもしれませんが、正直、私はこの数字を見るたびに、ありがたいと感じるとともに少し申し訳なく感じます。それは、少しの時間でもこのブログを読んでいただいた方(今この瞬間もそうですが…)が、「読んでよかった」、また少なくとも「無駄な時間ではなかった」と思ってもらえるだろうか、そんなことを考えるからです。
伝えることは、相手の時間を借りること
私はこれまでメディアの仕事に多く携わってきました。雑誌や書籍、Webなど、伝える形は違っても、常に頭の片隅にあるのは「この情報は本当に役に立つんだろうか?」という思いです。作り手がよく書けたと思った文章でも、読み手にとってはそうでない場合も多々あります。また、結論までの装飾や前置きが長いほど、読む側からすれば余計な情報で、書き手の自己満足になっている可能性もあります。そう考えて、私は文章や話をするとき、できるだけ内容を圧縮して必要な部分だけ伝えることを意識してきました。イメージとしては、コーヒー豆をドリップして必要な成分を抽出するような感じ、でしょうか。とはいえ、結局は「十分に満足してもらえるものが提供できた」と感じることはほとんどありません。
ただ、そんなときには気に入っている言葉を思い出します。それは「読んだ本の中に一か所でも『面白かった』『役に立った』と思える部分があれば、それはいい本」というものです。どんな本でも、すべての人が満足するものを作るのは不可能ですし、どんなお気に入りの本でも「ここの部分はちょっと自分には合わないな」という思う箇所が一か所くらいあるものです。なので、自分が作る側でも「100%満足してもらうのは不可能だけど、一か所くらい価値を感じてもらえるものを作ろう」と考えています。そして、それはスクールでの講習など、人に教える立場になったときも同じです。
講習でいちばん難しいのは「全員に伝える」こと
当社では、空のドローンの国家資格講習や水中ドローンの民間ライセンス講習を行っており、私自身も講師として人前で話す機会があります。またウェビナーなどを通じて、話をする場合もあります。このように人前で話す機会は多いのですが、何度やっても今でも普通に緊張します。そしてその原因を考えると、「慣れ」や「話すこと」そのものではなく、「相手にきちんと伝えられるか」を考えすぎているからだと気づきます。
とくに当社の講習は、さまざまな背景をもった方が受講されます。年齢や性別、職業や経験、目的も異なる方が一か所に集まり、同じ講習を受けます。そして顔ぶれは毎回異なります。そんな中で、全員が100%満足する内容を、同じ時間、同じ言葉で届けることは不可能です。ただ理屈では分かっていても、つい全員に等しく伝えたくなりますし、漏れがあったら申し訳ないとも考えます。そんなときは、先ほどの言葉を思い出し、「講習の中でひとつでも『ためになった』『来てよかった』と思ってもらえればいい」と割り切るようにしています。そうすれば、いい意味で諦めもつきますし、緊張も解け、「それぞれの人にひとつくらいは価値のあるものを持って帰ってもらおう」と考えることができます。
“経験”は伝えられる最大の価値
では、その「価値あるもの」とはなんでしょうか。先ほど書いた通り、それは人それぞれ異なります。もちろん、大前提として当社が行っている資格取得であれば、機材の使い方や操縦方法、関連する法律など資格取得に必要な情報を伝えるのは当然ですし、伝えるべきものです。しかし、ただカリキュラムに則った内容を話すだけであれば、わざわざ対面で行う必要はなく、オンラインでも十分可能です。また、教科書に書いてある内容を読み上げるだけの講習は聴く側にとっても単調で、教室の空気も冷めたものになりがちです。そこで個人的に意識しているのは、「自身の経験した話」を盛り込むことです。
とくに初めてドローン講習を受けるような方に話をする場合、まだ操縦もしたことのないドローンの話が延々続けば、自分事として捉えるのが難しく、意識が散漫になってきます。そんなときに「これは実際に経験したトラブルですが…」と、自分の経験をベースにした話を始めると、空気がグッと引き締まるのを感じます。やはり初めての受講生にとっても、経験に基づく話はリアルで、自分に関係あるものとして興味を引きつけるのだと思います。こうした実際に経験がなければ伝えられない話は、教科書にも書いていませんし、検索をしても出てきません。判断に迷った瞬間、準備や手順の抜け、現場の雰囲気に飲まれたこと、周囲との調整で詰まったとき…、など実際の経験を絡めた話をすることで、実践的で意味のある情報をひとつでも持って帰ってもらいたい、そんな思いでお伝えしています。

おわりに
最近ではドローンの国家資格の開始から3年が経ち、更新講習が本格的に始まりました。当社のスクールでもすでに多くの方に更新に訪れていただいています。自動車免許の更新もそうですが、正直、更新のためだけの講習は面倒で退屈と感じていると思いますし、私もそうです、笑。そんななかでも「まあ、時間を使ったけど、来て良かったかな」と思っていただける講習になるよう、スタッフ一同日々努力していますので、機会があれば、ぜひお越しください。(……今回も『読んだけど時間の無駄だった』と思われていないか、心配だな…)

